「転職で裏切り者扱いをされるのが不安な人」「上司から裏切り者と言われるのが怖くて退職したいことを言えない人」がいるかと思います。
この記事では、転職は決して裏切り行為ではないことを説明します。
また、裏切り者と言われたときの対処法についても解説をします。
私も自分が転職するときはすごく不安でしたし、正直、周りには心ないことを言ってくる人もいました。
しかし、その経験を通じて、転職に対するスタンスを学ぶことができましたし、周囲の反応への対処法も身につきました。
自分の経験をもとにお伝えしていきます。
転職は裏切りか?

転職は裏切り行為でしょうか?
私は転職は決して裏切りではないと考えています。
しかし残念ながら、いまだにそういう見方をする人がいることも事実です。
私が転職は裏切りではないと考える理由は以下の通りです。
- 中途採用は珍しくない
- 一度きりしかない自分の人生
- お互い不幸になる可能性がある
- 会社はあなたを守ってくれない
一つずつ説明をしていきます。
中途採用は珍しくない
一昔前までは大手企業で転職は珍しいことでした。
一度就職するとその会社で定年まで働くのが当たり前で、その会社が人生の全てと思いこんでいる人が大半でした。
そんな状況で転職すると言うと、自分の価値観や人生を否定された気持ちになり「なんで辞めるんだ。この裏切り者」という発言になります。
しかし今は転職は当たり前になっています。大企業でも周りを見渡せば、中途採用者がたくさん働いています。
そんな転職が普通の時代では、もはや「転職=裏切り」と言うのは、さすがに時代遅れだと言わざるを得ないです。
もし転職が裏切り者なら、世の中が裏切り者だらけになりますし、自社でも裏切り者を雇っていることになります。
これは論理的に考えておかしいことので、裏切り者と言われても気にする必要は全くありません。
一度きりしかない自分の人生
当たり前ですが、人生は一度きりしかありません。
そんな自分の貴重な人生を会社や上司、同僚に悪いからと我慢して働き続けることは正しいでしょうか。私は正しくないと思います。
会社のなかであなたの代わりは見つかりますが、あなたの人生を生きられるのはあなただけだからです。
私は過去、優秀といわれる人が辞めていくのをたくさん見ました。その人の代わりはいないとまで言われていました。
しかし、その人が辞めた後に会社が回らなくなったかというと、そんなことは全くありませんでした。
たしかに、一時的に業務がスムーズに進まなかったり、売上が少し落ちたりしましたが、会社全体でみると誤差の範囲というか、影響が無かったと言えます。
大企業だったからかもしれませんが、良くも悪くも企業という組織のなかでの人一人の影響力はそんなものです。
ですので、私たちは会社の心配をするよりも、自分の人生の心配をした方が良いです。自分の都合は会社の都合よりも優先されるべきです。ですから裏切りではありません。
お互い不幸になる可能性がある
あなたが転職したいということは、何かしら不満を抱えているのだと思います。
- 給与が満足できない
- 仕事が面白くない
- 人間関係が良くない
- 成長することができない
そんな不満を抱えた状態で働いていても100%のパフォーマンスを発揮できませんし、そういったマイナスの感情は周囲にも伝染して悪影響を及ぼします。
もはやあなたにその会社が合わなくなったのであれば、あなたにもっと合う会社に転職をする方が、お互いのためになります。
会社はあなたを守ってくれない
もう一つ裏切りでないと思う理由が、会社側の都合で給与が下がったり、リストラされたりする可能性があることです。
経済が右肩上がりの時代は少なかったのでしょうが、失われた30年と言われるように、ずっと前からもはや普通になっています。
私たちが会社を辞めることを裏切りと言うのなら、会社側がこちらをリストラするのも裏切りになります。しかし普通にリストラは起きています。
そんな終身雇用が期待できないなか、自分の身は自分で守るしかありません。くしくも今は景気が悪化し先行きが見えない状況です。
もし転職があなたにとってベストな選択であるのなら、自分や家族を守るために転職をすべきだと私は考えます。
裏切り者と言われたときの対処法

転職することを伝えた際の反応は様々ですが大きく3つに分かれます。
- 前向きに送り出してくれる
- 嫌味を言われる
- 思いとどまるように言われる
前向きに送り出してくれる
大半の人は驚きとともに「残念だけど頑張ってね」という反応かと思います。
本当に親しかった人は、しっかりと説明すれば最後は応援してくれることが多かったです。
また、本当は言いたいことがある人もいるのでしょうが、多くの人は、少なくとも表面上はこちらが不快になるようなことは言いません。大人な対応です。
このようにリアクションの大半は、前向きに送り出してくれるものです。
嫌味を言われる
一方、嫌味を言われることもあります。
- 自分だけいいよな
- 今まで育ててやったのに裏切って
- どうせうまくいかないと思うよ
これらは私が実際に言われた言葉です。
その当時は会社を辞めることに申し訳ない思いがあり、ただひたすら謝るしかありませんでした。
しかし、今思うのは、こういったネガティブな反応は気にしなくて良いです。反応せずにやりすごしましょう。
なぜかというと、私の経験上、こういったことを言ってくる人とはその後連絡を取り合うことは、ほぼないからです。
もう付き合うことがない人なので、わざわざ食い下がって許してもらう必要もありません。
もちろん、今後も付き合ったり、一緒に仕事をしたりする可能性があって関係を良好に保ちたい方には許してもらえるまで丁寧に説明しても良いと思います。
しかし、そういうことがないのなら、そんな嫌なことを言う人に、こちらがへりくだる必要はないと考えます。
思いとどまるように言われる
最後は、思いとどまるように説得を受けるパターンです。
私も退職の意志を伝えてから1ヶ月ぐらい説得され続けました。
今から考えればおかしな話ですが、当時は「辞められなかったらどうしよう」と本気で悩んでいました。
あの手この手を使って思いとどまるように説得を受けていたので、かなり精神的に追い込まれていたのだと思います。
説得の内容
- 居酒屋への呼び出し
- 何でも希望を叶えると言われる
- どこに行っても一緒。失敗すると言われる
私はもう転職することを固く決めていましたので気持ちが動きませんでしたが、複数人で入れ代わり立ち代わり説得してくるので、気持ちが弱いと揺らいでしまう人もいるかと思います。
しかし、一度辞めると言った後に残る選択はおすすめしません。
いったんは希望を叶えてくれるかもしれませんが、将来的には報復人事が待っているかもしれませんし、辞めるといった人を順調に出世させることはないかと思います。
実際、私の知り合いで説得され現職に残った人がいましたが、同期よりも出世が遅れたとようです。
そして、何より本人が転職しなかったことを後悔する可能性が高いです。
その会社に残った後に嫌なことがあると「あのとき転職していればどうなったのだろう」と思い悩むのではないでしょうか。
ですので私のアドバイスは以下の通りです。
説得への対応方法
- 呼び出しには応じなくても良い
- 会話の内容の記録をつけておく
- 相談相手をもつようにする
まず定時後の居酒屋での説得などには応じる必要はありません。あなたが疲弊するだけなので断って問題ないと思います。
また、自分を守るためにも上司との会話内容の記録を残しておきましょう。
そして最後に一人で抱え込まずに相談相手をもつようにしましょう。転職エージェント経由の転職なら転職エージェントの担当者に逐一相談すべきですし、友人で転職経験がある人も良いでしょう。
精神的に追い込まれて誤った判断をしないように、人に相談しながら進めていくことをおすすめします。
私の場合は転職エージェントの担当者が親身に相談に乗ってくれたので、精神的に持ちこたえることができました。
まとめ

今回は「転職は会社への裏切り行為ではない」という考えを説明しました。
辞めることを伝えた際に、不快な言葉を言ってくる人や、強く慰留されるケースもあるでしょうが、この記事の対応方法が参考になればと思います。
せっかく苦労してつかんだ内定です。誤った判断で後悔しないように、冷静かつ心を強く持って対応しましょう。
一人で対応するのは精神的にもきついと思います。アドバイスとしては信頼できる相談相手をもっておくことです。可能であれば、こういったケースの経験がある第三者を頼るようにしましょう。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
こちらも参考にしてください