こんにちは。
私はかれこれ事業開発の仕事をトータルで10年ほどしています。
※そもそも事業開発がどういった仕事かは、以下の記事を参考にしてください
思い起こせば、初めに事業開発の仕事をしたのは、この職種が世間一般に広く認知される前のことでした。
その後、徐々に認知され始め、最近ではスタートアップをはじめとして、外資系企業や日系大企業でも事業開発のポジションが見られるようになってきました。
そんな事業開発の仕事に興味をもっている方もいるのではないかと思います。
しかし、自分に向いているのかが気になりますよね?
そこで今回は「事業開発の仕事に向いている人の特徴」を私の経験から解説します。
事業開発に向いている人の特徴3選
事業開発に向いている人の特徴として、私が考えるのは以下の3点です。
- 楽観的である
- 柔軟性がある
- 経験が幅広い
それぞれ見ていきましょう。
楽観的である
まず初めは楽観的であることです。
事業開発の仕事は基本的に長期戦です。
企業によってKPIは異なりますが、営業よりも結果を出すのに時間がかかります。
営業パーソンの営業活動は売るものが決まっている状態で開始されます。
商材が既にある状態がスタート地点なのです。
一方、事業開発では、営業活動の前に売るもの(商材)を作る必要があります。
お分かりの通り、ワンステップ余分に営業活動よりも多いのです。
そして、この”売るもの”を作るのは大変です。
事業として商材を開発するので、それなりの規模で売れるものを作る必要があります。
そんな商材をアライアンスやM&Aといった外部企業と連携する手段も使いながら開発していきます。
しかし、世の中に求められている商品がそんなに簡単に作れるでしょうか?
私は極めて難しいと考えています。
マーケティング調査を行い、どういったニーズが顧客にあるかを理解し、そこに自社とパートナー企業のテクノロジーを掛け合わせたものがハマるかを検討していきます。
その過程では、ターゲットの明確化、製品コンセプト作り、技術検証、プロトタイプ作り、プライシング、販売ルートの選定、プロモーションといった多岐に渡るタスクがあります。
そんな苦労を経てやっと”売るもの”が出来るのです。
こういった中長期の事業開発は当然困難が伴います。
うまくいくことよりも、失敗の方が圧倒的に多いのです。
・組みたいと思っていたパートナー企業が自社に興味をもたない
・パートナー企業と仕事の進め方やスピード感が合わない
・技術検証がうまくいかない
等々、大変なことを挙げれば切りがありません。
そんな苦しい中、一つずつ課題を潰していって、やっと発売にこぎつけるのです。
こんな仕事、楽観的な人でないとできないだろうなと思います。
とはいえ、過度に楽観的である必要はありませんし、むしろ逆によくありません。
状況を正確に分析し、どんな厳しい状況でも常に希望をもちながら、課題の解決策を探っていく、頭脳明晰な楽観性が必要だと私は思います。
結果が出ないことに絶望したり、途中で投げ出したりしてしまう人には務まらない職種だと考えます。
柔軟性がある
事業開発に向いている人の二つ目の特徴は柔軟性があることです。
事業開発はパートナーと連携しながら進めることが多いです。
そして、事業開発のポジションでも、そういった外部パートナーとのアライアンスをうまく進めることができる人材が求められることが多いです。
そのように自社の中ではなく、外部の企業と連携すると、コントロールできないことが多々発生します。
相手があってのことなので、予定通りに進まないのです。
もちろん、他社なので力ずくで自分の思い通りにすることは出来ません。
向こうの考えていることを会話や態度から理解して、「どうも考えが異なるようだがまだ組める余地はあるか」「少しでも自分の持っていきたい方向に行くにはどの様に説得すればいいか」など考え、柔軟に対応していく必要があります。
このような、予定通りに進まないことが当たり前の世界で試されるのは柔軟性です。
自分は柔軟性があるか自問自答してみて下さい。
今までの仕事で思い通りに行かなかったとき、状況に合わせて臨機応変に対応することができたでしょうか?
相手がどう出るか分からないような状況で過度なストレスを感じることはないでしょうか?
もし自分が柔軟性に自信があれば、事業開発の仕事に向いているかもしれません。
経験が幅広い
事業開発に向いている人の最後の特徴は経験が幅広いことです。
ハッキリ言って若手に事業開発の仕事を私はおススメしません。
一担当としてするのは良いかもしれませんが、リーダーシップをもって事業開発の仕事をするには幅広い経験が必要です。
事業開発=新しいビジネスを創る仕事です。
そこでは多種多様な経験やスキルが求められます。
私は営業やマーケティングを経験した後に事業開発の仕事を始めたのが良かったです。
例えば、パートナーの新規発掘では、ありとあらゆる手段を使います。
先方のホームページからコンタクトしたり、展示会場に行って名刺を交換したりと泥臭い方法でアプローチをします。
その際、怖がっていては仕事が進みません。
ちなみに私は元々人見知りで知らない人と話すのが苦手でしたし、自分からコンタクトするのなんてもってのほかでした。
しかしキャリアをスタートさせた営業の仕事で飛び込み営業をした経験が活きました。
また、新規開拓した後も良好な関係を保つ必要があります。
そこでも営業で培った顧客とのリレーションシップを保つスキルが活きています。
また、マーケティングで経験した製品開発やプロモーションの経験も活きています。
パートナーとの共同での製品開発や、リード発掘のためのプロモーションでその経験を使っているのです。
この様に今までのキャリアで経験したことを総動員するのが事業開発の仕事であり、幅広い経験をしている人の方が有利だと考えます。
もし自分がずっと同じ部署で同じ職種の仕事しかしていなかったら、対応できなかっただろうなと思うチャレンジは多々ありました。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は事業開発の仕事に向いている人の特徴について私の経験から解説しました。
ひとえに事業開発といっても会社によって、仕事内容が異なることが多々あるため、どういう人が向いているかは一概には言えないものの、少しでも参考になれば幸いです。
下記は私が事業開発の仕事をするうえで参考にした本です。面白いですよ。
ご興味あればまずレビューだけでも見てもらうことをおすすめします。