【書評】幸せになる勇気

 
嫌われる勇気もすごい本でしたが、幸せになる勇気もまた名著です。

先日「嫌われる勇気」は、もう少し早く出会っていたら人生が変わっていたかもしれないぐらい、すごい本と書きました。

【書評】嫌われる勇気

その後、続編があることを知って、この「幸せになる勇気」を読みました。

この本にも、くよくよと悩んでいた私の背中を押してくれる名言がありました。

幸せになる勇気

「幸せになる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ(岸見一郎、古賀史健著、ダイヤモンド社、2016年)」は大ベストセラーである「嫌われる勇気」の続編です。

この本のおすすめポイントは、悩みの本質的な解決法が載っていることです。

この本を読んでいる最中に「そうだったのか」と膝を打つ場面が何回もありました。

なので、悩んでいる人、悩みの解決法を探している人にはおすすめですが、人生がうまくいっていて特に悩みがない人は読んでもピンとこないかもしれません。

少し話はそれますが、悩みがない人っているんですよね。私は常に何かに悩んでいるたちなので正直驚きました。そういう人には必要がない本かもしれません。

本には読むタイミングがあると思っていますが、まさにこの本は読む時期で感じるものが大きく変わると思います。悩んでいる人におすすめです。

これからどうするか

長い人生、生きていると「どうしようもできないこと」に遭遇しますよね。

そのなかでも私が辛かったのは自分の判断ミスで招いた悩みです。

悔やんでも悔やみきれない気持ちで、半年間ぐらいずっと落ち込んでいました。

1日中そのことが頭を離れませんし、夢でも見てしまうレベルです。

何とかしないといけないと思いつつも、愚痴ったり、人にあたったりしていました。

これじゃいけないと分かりつつも前を向いて歩くパワーもありませんでした。

そんなときに出会った本の中の1冊がこの「幸せになる勇気」でした。

多分調子が良いときなら手にも取らなかったでしょう。

そして、ある文章がまさに自分のことを言い表していて驚いたのです。

青年 一面には「悪いあの人」。もう一面には「かわいそうなわたし」と。

哲人 そう。カウンセリングにやってくる方々は、ほとんどがこのいずれかの話に終始します。

まさに私でした。手を変え品を変え、いろんな言い方をしていましたが、結局は誰かのせいにするか、自分の不幸さを嘆いていたのでした。

そして本書にはこうも書いていました。

そう、われわれが語り合うべきは、まさにこの一点、「これからどうするか」なのです。

はい。これは分かっていました。愚痴ばっかり言っていても何も解決しないと。

しかし、自分のネガティブな状態をいままで私は客観的に見れていませんでした。

この本を読んで、ようやく自分がやっていることは非生産的で何の解決にもならないことにしっかりと気づいたのです。

そして自分がやるべきは「これからどうするか」だと腹落ちしました。

もちろん、今までさんざん悩んでいたいので、読んだ瞬間から前向きになれたかというと、そうではありません。

今でも、悩んでしまうときもあります。

しかし、この本のおかげで前を向けたのは事実です。

承認には終わりがない

私は人と比べることが多いです。

あの人には勝っている、あの人には負けているなどです。

それは「仕事ができる・できない」「収入が多い・少ない」など、内容はさまざまですが、とにかくいつも人と比べてしまうのです。

嫌な感情であることは重々承知しているのですが、癖になっているのかやめられません。無意識に考えてしまっているのです。

この「幸せになる勇気」では、その私の状態も見事に書き表していました。

おそらく私は「人から認められてもらいたい」「承認されたい」という思いが人一倍強いのだと思います。

それが仕事を頑張る原動力になり、努力するエンジンでもあったので、ある意味では良かったと思っています。

しかし精神的に消耗してしまうのも事実です。

そんな私にこの本のフレーズはきつく刺さりました。

承認には、終わりがないのです。

ほめられることでしか幸せを実感できない人は、人生の最後の瞬間まで「もっとほめられること」を求めます。

一方、「わたし」の価値を、自らが決定すること。これを「自立」と呼びます。

ぐうの音も出ませんでした。

私は周りからすごいと言われたく、それが意思決定の一つの基準でした。

これでは完全に人に依存しています。

この本を読んで「良いか悪いかは自分で決めよう。自分が良ければそれで良いと思えるようになろう」と決めました。

ずっと他人の人生を生きるのは嫌ですからね。

まだまだやれる

最後に本書で心打たれた言葉があります。

未来が見えないこと、それは未来に無限の可能性があるということです。

この言葉は落ち込んでいた自分を奮い立たせてくれました。

まさに今、未来が見えなくなっていましたが、それは悪いことではなくて、無限の可能性があることなんだと思えたからです。

たしかに、過去に自分の将来が見えてしまった瞬間、希望が無くなりました。努力をする気が無くなりました。

しかし、型にはまったレールの上を行く人生だけでなく、今後もチャレンジと自分の選択次第で、まだまだどうとでもなると思えることで、再び未来が輝きだした気がしたのです。

そう思うと、あんなに落ちていた気持ちも上がってきました。

人生どうなるか分かりません。

これからの人生は自分で切り開いていくという気概と、自分ならできるという自信をもって生きていきたいと思っています。

まとめ

この記事では「幸せになる勇気」の書評を、私が置かれた状況に照らし合わせながら書きました。

繰り返しになりますが本書は悩んでいる方にはすごく響く本です。実際、私の心の支えになっています。

失敗をして悩んだからこそ、この本に出会えて、自分の人生について深く考えることができたと、今ではポジティブにとらえています。

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

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