今回は大ベストセラーの「嫌われる勇気(岸見一郎、古賀史健著、ダイヤモンド社、2013年)」について語らせてください。
その存在はずっと知っていたのですが「なんか変わったタイトルの本だな」と避けていて、ずっと読んでいませんでした。
しかしYouTubeでインフルエンサーが紹介しているのを見て読んでみました。
その感想は「もっと早く読んでいれば・・・」です。
自分の抱えている悩みへの立ち向かい方が、そこには書いてありました。
嫌われる勇気

この本のおすすめポイントはズバリ「現代人が抱えている悩みの具体的な対処法」が載っていることです。
この記事では私が学んだことについてお伝えしていきます。
- 過去が今を決めているのではなく、自分の選択が決めているだけ
- 他人と比べるのはやっぱりやめた方が良いこと
- 人にどう思われるかを過度に気にしないこと
- 未来や過去を生きるのではなく、今を生きること
それでは一つずつ見ていきましょう!
過去が今を決めているのではなく、自分の選択が決めているだけ

私は過去や周囲の環境が、自分の今の生活をつくっていると考えていました。
しかし「嫌われる勇気」では、その考えは否定されています。2つ関連した文章を引用します。
人はいつでも、どんな環境に置かれていても変われます。あなたが変われないのでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。
「これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない」
思い返せば、いろいろなチャンスを過去や今の状況を理由に見送ってきました。
留学は「お金がかかるからやめておこう」という選択肢をしましたし、転職も「あの会社は条件が合わないから」という理由で辞退をしました。
当時は正当な理由に思えましたが、その後「やっておけばよかった」と後悔しました。今思うと、本当にやりたいことなら、やりようはいくらでもあったのですよね。
今回気づいたのは、いろいろな理由をつけてチャレンジを断念しましたが、ただ単に自分が「新しい世界に飛び込んでいくのが怖かった」「変わるのが怖かった」という事実です。後付けで、やらない理由をつくっていたのです。
自分に足りていなかったのは、決断、勇気でした。
この現実は辛いです。自分の情けなさと向き合わなければいけません。
しかし、まだこの年齢でこの事実を知れたのは良かったと感じています。
これから新しいチャレンジをするときに「やらない理由」が思い浮かんだら「それは今の安全でリスクのない自分の生活を変えたくない言い訳ではないか」と自問自答したいと思っています。
一番良くないのは後悔することです。そういった後悔がないようにしていきます。
こちらも参考にしてください
他人と比べるのはやっぱりやめた方が良いこと

昔はそんなことなかったと思うのですが、最近、本当に人と比べてしまうようになってしまいました。
- 人よりも稼ぎたい
- 人よりも評価されたい
- 人よりも仕事ができるようになりたい
こんな感情です。
頭では「人は人」と思っているのですが、うまくいきません。こういった感情は本当は自分としても嫌ですし、自分自身を疲弊させていきます。
一般的にも良く言われていますが「嫌われる勇気」でも他人との比較はすべきではないと書かれています。この本を読んでいると不思議と心が落ち着いてきます。
誰とも競争することもなく、ただ前を向いて歩いていけばいいのです。もちろん、他者と自分を比較する必要もありません。
健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
こういった文章を読むと「人と比べても確かに意味がないな。自分の人生と、他人の人生は別物だ。私は私の人生を充実させることに集中しよう。自分自身の人としての成長だけを見ていこう」と思えるのです。
正直、人と比べてもきりがないですもんね。例えば年収をとってみても上には上がいます。仕事にしても世の中にはすごい人がたくさんいます。
頑張って一つ上のステージに行っても、今度は更に上のステージの人と比べて同じことで悩むのでしょう。つまり、自ら他人との比較をやめない限り、いつまでも悩んでしまうんですよね。本当は「いかに自分の人生を充実させるか」に時間を使った方が合理的です。
とは言いつつも、すぐ忘れてしまい、また人と比べてしまいます。そんなときは何回もこの本を読み返しています。
人にどう思われるかを過度に気にしないこと

私は人一倍「人にどう思われるか」を気にする人間です。
人に良く思われたいと思って、いい格好をしようとしてしまいます。そして、人がどう思っているかを気にして、うじうじしています。
新入社員のときも、指導員の先輩にいつもこう言われました。
「お前は本当に格好つけだな。いい格好しようとするな」
人にどう思われるかを気にするあまり「自分の意見を言わずに安易に同調する」「できないこともできると言う」「聞くべきことを聞かずに知ったかぶりをする」癖があったのです。
「嫌われる勇気」では、課題の分離について書かれています。
これはつまり、自分としては自分の信じることをする。他人がどう思うかは気にしない。どう受け取るかは、その他人の問題であって、自分の問題ではないというものです。
下記の文章を引用します。
自らの生について、あなたにできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」、それだけです。一方で、その選択について他者がどのような評価を下すのか。これは他者の課題であって、あなたにはどうにもできない話です。
確かにそうなんですよね。いくら人に気に入られようと思ったり、どう思われたかと気にしたとしても、私に決定権はありません。相手にしか決められないのですよね。
相手の考え方にもよりますし、気分にもよります。そんなことを気にして、びくびくしているのは、冷静に考えると無駄でした。
本書にも書いていますが、やはりその根底には皆に好かれたい。裏返せば誰にも嫌われたくないという想いがあったのだと思います。
ここで、まさにこの本のタイトルの「嫌われる勇気」をもてるかが、ポイントになってきます。
合わない人は仕方がないと割り切り、自分の生き方を貫けるかが、自分が幸せになる道であることを学びました。
社会人生活をしていると、こういった迷いの場面によく直面します。
上司や先輩の意見に対して、正直に思ったことを伝えるべきかどうかです。
以前の私なら愛想笑いをしたり、うまく話を合わしていたと思います。
しかし自尊心は知らず知らずのうちに傷ついていたと思いますし、自分らしい生き方をできていませんでした。
今は徐々にですが意見を言うようにしています。
それで軋轢が生まれることは確実に増えましたし、変わった人間と思われているかもしれません。
私自身も言った後に「言ってしまった・・・」と思うこともあります。しかし、自分が譲れないことは、これからも主張していこうと思っています。
未来や過去を生きるのではなく、今を生きること

私の考え方として「将来のために今は頑張ろう。我慢しよう」というものがありました。例えば、受験勉強、資格の勉強、残業などです。
今は辛いけど、きっと将来幸せになれるから我慢しようという思考です。
また、過去の良い思い出に浸ることもあります。おそらく、かなり美化されているのでしょうが「今と違って昔は楽しかったな」と懐かしむのです。
これって今を生きずに、未来や過去を生きているとも言えると思います。
しかし本書を読んで、今この瞬間を大事に生きることの重要性を思い知らされました。2文引用させてもらいます。
われわれはもっと「いま、ここ」だけを真剣に生きるべきなのです。
過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうあるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。
そうなんですよね。過去や未来を考えて今が良くなるのであればすべきかもしれませんが、そうでないなら意味がありません。
また、そういったことを考えるのは、今目の前の現実に真剣に向き合っていないからなんですよね。
この本の言葉にはすごく助けられました。過去の後悔は今には何の関係もないと言い切ってくれているからです。
過去の失敗を今と切り離して、今を生きることができる。再びスタートできるというのは、過去の失敗に悩む私には非常に嬉しい考え方でした。
この本を読んで「よし。もう一回やってやるぞ」と思うことができました。
まとめ

この本の中にも、もっと早くこういった考えを知りたかったと嘆く場面が出てきます。正直に言うと、私も全く同じ気持ちです。
しかし、私がこの本を手に取ったのは、ある大きな失敗をして落ち込んでいるときに、何か参考になるかと思ったのがきっかけでした。
つまり、その辛い出来事があったからこそ本書に出会えたのです。
今は「読むべきときに読めた」と前向きに考えていますし、今この瞬間に集中をして、これからの人生を良いものにしようと思っています。
この本は全ての人におすすめしますが、特に今、悩みがある方にこそ響く内容だと思います。おそらく私も人生の調子が良いときに読んでも、ここまで深く共感しなかったと思います。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。