こんな思いはありませんか?
営業って大変なイメージがありますよね。そして実際大変です。
営業だけはやりたくないと思っている人。既に営業をやっていて辞めたいと思っている人もいるかと思います。
私の場合、国内営業からキャリアをスタートさせました。
その後は、海外マーケティング(海外営業)→事業開発と歩んでいます。
そんな私が今つくづく思うのが「営業をやって本当に良かった」ということです。
当時は毎日怒られてばかりで、あんなに嫌だったはずなのにです。
この記事では営業を経験するメリットと、営業経験の活かし方をお伝えします。
営業をやってよかったこと

営業をやっていてよかったことは下記です。
- 人を巻き込むのがうまくなった
- コミュニケーション能力がついた
- 大抵のことは何とかなると思える
- スケジュール管理がうまくなった
今でこそ、このように思えますが、当時はかなり追い込まれていて、もしかしたら鬱寸前だったかもしれません。
しかし、営業の経験でかなり鍛えられました。
一つずつ説明をしていきます。
人を巻き込むのがうまくなった
私はBtoBの法人営業でした。
この手の営業は1人では成り立ちません。
見込み客を見つけ、スタッフと一緒に提案を作って売り込み、受注後は営業がプロジェクトを管理して、納品までの責任をもちます。
法務と契約書も作りますし、経理と請求作業や入金確認もします。
このように、営業の仕事は社内外の様々な人と関わります。
こういった仕事内容から、私の営業のイメージはオーケストラの指揮者です。スタッフをうまく束ねて案件を回していくイメージです。
ただ、私は元々は1人でいるのが好きで、友達も多くありませんでした。人に指示するのも、されるのも嫌いでした。
しかし営業になると否が応でも人と関わらざるを得ません。
正直、初めは全くうまくいきませんでした。
顧客とスタッフの間に挟まれて、文字通り行ったり来たりしていました。
「これをやって欲しい」と顧客に言われてスタッフに伝えるも「できない。営業なら交渉してこい」と言われて、また顧客のところに行くイメージです。
本当に辛くて苦しい毎日でしたが、徐々にコツをつかんで仕事を回せるようになりました。
そのコツは上手く人に頼ることでした。
以前の私は極力全部自分でやろうとしていました。人に迷惑をかけないようにと何事も引き受けていたのです。今思うと人に頼むべきところも自分でやろうとしていました。
それでいつも仕事を抱えすぎてパンク寸前までいっていました。
しかし自分のキャパにも限界がありますし、専門性ではプロにはかないません。
そして、ある日気づいたのです。人に頼るのは悪ではない。もっと人に頼らないといけないということに。
営業の仕事は、会社の売上・利益をつくること。その為には使えるリソースを最大限に活用するのは、むしろあるべき姿なのだと気づきました。
そこから「人への頼り方」「仕事のお願いの仕方」を実戦で磨いてきました。
この様な「人を巻き込むスキル」が習得できたのは営業のおかげです。
コミュニケーション能力がついた
営業は調整業務が多いです。
うまく人の意見を調整しなければなりません。
そのまま伝えるとぶつかることも、間に入って円滑に回すのです。
営業のおかげでコミュニケーション能力は相当鍛えられたと思います。
- 相手の言いたいことを正確に理解すること
- 相手の気分を害さないよう上手く伝えること
こういった能力が身につきました。
それは日々、営業の現場で顧客の顔色や声色を見て向こうの考えを理解しつつ、こちらの希望が通るように上手く話をもっていく能力です。
提案が通らない場合は何がネックになっているのか本音をうまく聞き出して、そこをクリアできるように動きました。
そんな日々の積み重ねで信頼貯金を貯め、営業としてそれなりに良い成績を残すことができました。
大抵のことは何とかなると思える
営業をしていると修羅場を経験します。
クレームが発生して火消しに奔走したこともありますし、ノルマが達成できずに上司から激詰めされたこともります。
当時は本当に辛くて、逃げ出したい思いでいっぱいでした。
何度、会社に行かず、どこかに行ってしまおうか迷ったか分かりません。
しかし最終的には、そういった窮地を何とか乗り越えてきました。
それが今では自信になっています。
あれだけ辛い状況を何とかできたんだから、これからも大抵のことはクリアできるだろう良い意味で楽観的になれます。
こういった強い心をもてるようになったのは営業を経験したからです。
スケジュール管理がうまくなった
BtoBビジネスでは顧客と合意した納期は守らなければなりません。
その為、各スタッフの作業の進捗はもとより、顧客側のタスクも順調に進んでいるかを管理していました。
想定外の事態を見越して余裕をもったスケジュールをあらかじめ設定しつつ、各メンバーをフォローして遅延がないようにしていました。
スケジュールが気になって夜中に目が覚めることもよくありましたが、かなり細かく管理する癖がつきました。
このようなプロジェクトの日程管理がうまくなったのも営業のおかげです。
マーケティング、事業開発で営業経験が活きる

今まで話した営業で身についたスキルは他の職種でも活きています。
むしろ私の強みになっていると言っても過言ではありません。
ずっとマーケティングだけをやっている人。ずっと事業開発だけをやっている人よりも、営業経験が強みになっています。
正直、さまざまな職種を渡り歩いていることは「中途半端ではないか」「専門性に欠けるのではないか」と悩みましたが、今では開き直っています。
マーケティングや事業開発で、どの様に営業経験が活きているかを解説します。
- どんな仕事でも一人ではできない
- 仕事はコミュニケーションが基礎
- 心に余裕をもてるのは大きい
- 納期のない仕事なんてない
こちらも参考にしてください
どんな仕事でも一人ではできない
マーケティングや事業開発でも、仕事は自分一人では完結できません。
マーケティングでは研究開発、技術、営業といったメンバーを、事業開発でも社外のパートナー企業を巻き込みます。
特に大きな仕事であれば、さまざまな部署や人と協力して進めます。
そんなときに活きるのは、営業で身につけた「人を巻き込む力」です。
社内で人から協力を得られない人もいます。
そんな人は「その仕事をやる目的」や「その人にお願いしたい理由」がしっかりと示せていなかったり、頼み方が下手だったりします。
また、以前の私のように、そもそも人に頼むのを躊躇している様子もあります。
しかし私の場合は営業で揉まれたおかげで、言葉は悪いですが、人をうまくその気にさせて仕事をやってもらうのが上手いと思っています。
仕事はコミュニケーションが基礎
コミュニケーション能力って具体的な定義が難しく、とらえどころがありませんが、すごく大事だなと思います。
どんな仕事をするにしても基礎になるものだと思っています。
同じ日本人でも、相手が本当に何を言いたいのかを正確に理解して、自分の言いたいことをこれまた正確に伝えるのは難しいです。
海外の仕事をやって思うのは、むしろ日本人同士だからこそ、いろいろと気を使って難しいのかもしれません。
人によってはしがらみや遠慮がありストレートに言ってくれません。また、こちらもストレートに言い過ぎると失礼になったり、相手を傷つけたりするので言葉を選ぶ必要があります。
特に今はFace to Faceや電話ではなく、メールやチャットがコミュニケーションの主流になっていて難易度は上がっています。
そんな当たり前のようで難しい、コミュニケーション能力を営業で鍛えることができました。
そのコミュニケーション能力は、マーケティング、事業開発の仕事でも、人の説得や関係性構築で大いに活きています。
心に余裕をもてるのは大きい
営業では修羅場を経験したと書きましたが、そのメリットは大抵のことでは動じなくなったことです。
マーケティングや事業開発でも困難はありましたが、営業でそれよりも大きな修羅場を既に経験しているので、周りの人よりも心に余裕がもてます。
心に余裕をもてることで冷静に対処することができますし、精神衛生上、非常に良いです。
今でも辛いことがあると、営業時代に経験した辛い状況を思い出して「あれに比べたら全然大丈夫」と自分に言い聞かせています。
納期のない仕事なんてない
どんな仕事にも期限があります。
逆に期限がない仕事は、率直に言うと「どうでもいい仕事」なのです。
「期限までに仕上げる」という仕事の基本が営業で体に叩き込まれたのは良かったです。
やはり顧客とスタッフに挟まれ、数字のプレッシャーがあるなかでのスケジュール管理を経験すると、納期死守への真剣さが違います。
マーケティング、事業開発の仕事をするなかで、明らかに周りよりも細かくスケジュール管理をして「絶対にずらさない」という固い意志をもっています。
これは営業で培った強みであると言えます。
営業をしている人に伝えたいこと

この記事をここまで読んでくださった方は、営業が辛かったり、他の職種に変わりたいと思ったりしていると思います。
私もそうでした。
しかし今では営業を経験して本当に良かったと思います。
本当に追い込まれていて精神的に辛い場合はもちろん別ですが、営業の仕事で学べることは非常に多いので、まずは今の仕事で成果を出せるよう取り組むことが大事だと思っています。
真剣に取り組んだ結果、成果が出始めると営業の仕事も楽しくなってきます。
もちろん営業を続けるのも一つの選択肢ですが、やりたいことがあるのなら、並行して将来のキャリアとして他の職種の可能性も検討しましょう。
私も営業をずっと続けようとも思いましたが、やはり海外の仕事、マーケティングの仕事への憧れを捨てきれず、職種を変えました。
そしてマーケティングや事業開発を経験して分かったのは、営業と共通して使えるスキルがあることです。営業で鍛えられたスキルを活かせるのです。
また、さまざまな職種を経験することで部門横断的な視点が身につきます。これも営業経験で得られたものの一つです。
営業部門の考え方、動き方が分かるので、マーケティングとして営業にモノを売ってもらう方法が分かったのです。
繰り返しになりますが、営業の経験から得られるものは多く、それは他の職種にも活かせることができます。
その為には、まず目の前の営業の仕事に真剣に取り組んで成果を出すこと。そして希望があるのであれば、新しい職種に社内での異動や転職でチャレンジすることだと思っています。
このブログでは、商品企画に異業種や未経験から転職する方法など異職種や異業種への転職の仕方についても解説しているので参考にしてください。