会社で仕事をしていると上司から「もっと人を巻き込め」と言われませんか?
私はよく言われていました(笑)
どちらかというと内気なタイプだったので、人を巻き込むのは苦手でした。
それが、営業や事業開発といった仕事を経験し、今では「本当に人を巻き込むのがうまいね」と周りから言われるようになりました。
人をうまく巻き込めると仕事がサクサク進みますし、大きな仕事もできます。ビジネスパーソン必須のスキルであるとも言えます。
この記事ではそんなビジネスパーソンが身につけるべき「仕事で周囲を巻き込む力」について解説をしていきます。
仕事で周囲を巻き込む

「仕事で周囲を巻き込むとはどういうことか?」まずはそこから見ていきます。
仕事で周囲を巻き込むとは?
それは、周りの人の協力をうまく得ながら仕事を進めていくことです。
仕事には自分一人で完結できるものもありますが、人の力がいる場合も多くあり、周囲を巻き込んでいく必要があります。
特に社会に与える影響や動く金額が大きい仕事は一人ではなく、多岐に渡る部門や人と協力するケースが多いものです。
ここで「巻き込む」という独特な表現が使われている背景を考えます。
これは単に「人の助けを借りる」のではなく、自分が進めるプロジェクトにがっつり入ってもらう意味合いがあると考えています。
単に仕事の一部を割り振るのではなく、その人の強みや専門性を活かし主体性を発揮してもらいながら一緒に仕事を進めるイメージです。
周囲を巻き込む力はますます必要に
今後ますますこの周囲を巻き込む力が求められるようになると感じています。
やり方が決まっているルーティンワークであれば、既に役割分担ができているので、新たに周囲を巻き込んでいく必要はないでしょう。
しかし新しいビジネスをつくっていく際には、人を巻き込む必要があります。
そして、今の日本では新しいビジネスをつくる必要性が高まっているのです。
モノ余りと言われるように生きていくのに最低限必要なモノは既に行き渡っています。
そんな状況では、昔つくったビジネスを維持・拡大するルーティンワークだけでは成長が見込めないため、新しい発想でビジネスを創造していかないといけないのです。
例えば、あなたがメーカーの製品企画のプロジェクトリーダーだったら、以下のようなメンバーを巻き込んで、製品企画~販売まで実行していきます。
- R&D
- 開発
- 製造
- 広告宣伝
- 広報
- Webマーケティング
- セールス
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この様に各分野のプロを巻き込んで、新しいビジネスをつくっていくのです。
また、巻き込むのは社内のメンバーだけではありません。最近は社外とコラボレーションする機会も増えてきています。
顧客のニーズが多様化・複雑化・高度化しているので、1社の事業領域だけではまかないきれないのです。
企業と企業の強みを掛け合わせサービスをつくることで、そういったビジネスチャンスをものにすることができ、更なる成長が期待できるのです。
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社外の巻き込みとして、アライアンスやM&Aについては、ビジネスディベロップメント(事業開発)とは?【転職】で解説をしています。
周囲の人を巻き込む手順

周囲を巻き込むには、そもそも誰を巻き込むかを決める必要があります。そして、その次はどうやって巻き込むかを決めていきます。
- 誰を巻き込むか
- どうやって巻き込むか
- 巻き込んだ後のフォロー
①誰を巻き込むか
まずは自分の仕事を達成するにあたり、どういった社内の人・部署、社外の企業を巻き込む必要があるか決めましょう。
目標を達成するには、自分たちは何ができて、何ができないかを明確にする必要があります。そして、そのできないことを誰ができそうかを考え、依頼する相手を決めていきます。
社内の場合は、担当者を指名できるのであれば、指名するようにしましょう。同じ部署でも、人によってレベルはバラバラです。仕事をスムーズに進めるには、エース級の人材と一緒に仕事をすべきです。
また、社外との連携でも複数社候補がある場合には、第一希望の会社から声をかけていきましょう。
②どうやって巻き込むか
巻き込む相手が決まったら具体的な打診をしていきます。
打診の際は、WHY(なぜその仕事をやる必要があるのか。その仕事の意義は何か)、WHAT(何をやってもらうのか)を必ず伝えるようにしましょう。また、その仕事を受けてもらうメリットも提示できればベターです。
その他にも、スケジュール、予算、チームメンバなど必要な情報を伝えます。
③巻き込んだ後のフォロー
もちろん巻き込んで終わりではありません。
一緒に仕事を進めるなかで、困っていることは無いか、不満は無いかなどを、日頃の言動からの推測や直接のヒヤリングで確認をしていきます。
そして課題がある場合は、はやめに解決をするようにしましょう。
こういったフォローは仕事のモチベーションやアウトプットに関わってきますし、次回以降、再度仕事を引き受けてくれるかに影響してきます。
課題があるのが分かったときに決して逃げたり、知らないふりをしてはいけません。相手はよく見ています。
人を巻き込むのに必要な4つの能力とは?

ここでは人を巻き込むのに必要な能力を見ていきます。
人を巻き込むのに必要な能力
- コミュニケーション力
- ポジティブシンキング(前向き)
- 誠実
- リーダーシップ
①コミュニケーション力
人を巻き込むのには、高いコミュニケーション力が必要です。人を巻き込んで仕事をするには、自分の想いをしっかりと伝えないといけませんし、相手が何を考えているかもよく分かっていないといけません。
つまり、自分の考えを正確に相手に伝える力、相手の状況や考えをしっかりと理解できる力が必要です。
些細な例でいうとメールやチャットの送り方ひとつにも気配りをしましょう。
Face to Faceで相手の表情や声色を見ながらのコミュニケーションでないため、受け手である相手の状況や気持ちを想像しながら送る必要があります。
自分が相手の立場だったらどう感じるかを想像して、メールやチャットの文面をつくる必要があります。
そういった日々の細かい業務からコミュニケーションに気をつけるようにしましょう。コミュニケーションは積み重ねです。
②ポジティブシンキング(前向き)
人を巻き込む力のある人はポジティブシンキング(前向き)です。
前述した通り、人を巻き込んでする仕事はルーティンワーク(定型業務)ではなく、新しくビジネスをつくっていく創造的な仕事である場合が多いです。
そういったビジネスでは前例や経験したことがないことも多く、想定外の事態が起こります。
予測しなかった状況に慌てふためくのではなく、ピンチもポジティブにとらえ解決策をメンバーと一緒に考えられる人材が求められます。
③誠実
ビジネスでは信用が大事です。人を巻き込むには、人と信頼関係を構築できる誠実な人物であることが必須です。
時間を守らない、約束を破る、裏で陰口を言う様な不誠実な人とは、たとえ仕事でも関係を続けたいと思わないですよね。
仕事は完璧でなくても構いません。むしろ全て完璧にできる人はいないと思います。
しかし、仕事でミスや至らない点があったとしても、誠実に対応する人であれば、周りもきっとサポートしてくれ、ついてきてくれます。
仕事ができるできない以前に、人として誠実であることが求められるのです。
④リーダーシップ
プロジェクトを引っ張っていくリーダーシップも人を巻き込む能力には必要です。具体的にいうと以下のようなアクションをとれる人材が求められます。
- ビジョンの明確化・提示
- チーム体制の整備
- 自ら手本となりメンバーを先導
- 権限委譲によるメンバーのモチベーション向上
この様にメンバーを引っ張れるリーダーシップが人を巻き込む人には要ります。
周囲の人を巻き込む力のつけ方

ここでは周囲の人を巻き込む力をどうやって身につけるかを解説します。
答えはシンプルで「自らがリーダーとなって人を巻き込んで引っ張るプロジェクトを数多く経験すること」です。
どういったプロジェクトでも経験になりますが、多くの人を巻き込むプロジェクト、個性の強いキャラクターの人がいるプロジェクト、一筋縄ではいかない難易度の高いプロジェクトが鍛えられます。
そういった案件を人を巻き込みながらこなすことで、スキルがつきますし、自分の自信にもなってきます。
おすすめとしては、プロジェクトが終わったら「振り返り」を必ずすることです。
プロジェクトのメンバー(巻き込んだ人)と、どうやったらもっとスムーズに案件を進められたか、自分に改善点はなかったかを話し合うことです。
そうすることで、自分では気づいていなかった修正点が分かり、次回から直せるようになります。
まとめ

この記事では仕事を進めるうえで必須の周囲の人を巻き込む力について見てきました。特に営業やプロジェクトマネジメントをする人にこのスキルは重要になってきます。
なかでも、大きな仕事をするうえで、多岐に渡る部署や人の巻き込みが必須になるので、今は苦手な方もこの記事を参考に取り組んでもらえればと思います。
私は仕事をしていて楽しいことに、やはり人とのコミュニケーションがあります。
いろいろな人と一緒に仕事をすることで、新しい考えや知識を学べるからです。
人を巻き込む力をもっていると、多くの人と良好な関係が築けるので、そういった機会も増えていきます。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。