前の記事では職務経歴書の職務要約の書き方を解説しました。
今回は、職務要約の次にくる「職務経歴」の書き方を解説していきます。
「職務経歴は事実を時系列に書くだけだから、わざわざ記事にする必要はないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、ただ単に事実を羅列するだけでは、企業の担当者に響く内容になりません。もっと戦略的に書くべきです。
この記事では採用担当者に会いたいと思わせる職務経歴の書き方を解説します。
職務経歴書の職務経歴の書き方

職務経歴の目的は、就職をして社会に出てから今までの職歴を書くことによって、あなたのキャリアを伝えることです。
職務経歴のポイントは、以下の3点です。
- 企業の求める経験・スキルを意識して書く
- 職務要約・自己PRとの整合性をとる
- 面接のベースとなることを認識しておく
企業の求める経験・スキルを意識して書く
職務経歴は、ただ単に事実を羅列するのではなく、どの様に書けば面接に呼んでもらえるかを意識して書きましょう。
もちろん職務経歴には事実を書かないといけません。やってもいない仕事を書くことはNGです。
しかし、職務経歴書は企業の担当者へアピールするのが目的の文書です。企業の担当者が会いたいと思う内容にしましょう。
具体的には応募先企業が求める経験・スキルを調べたうえで、それをあなたがもっていると伝わるように書きます。
以下で具体例を使って説明します。
志望者:広告会社の営業マン。既存顧客と新規顧客の両方を担当。チームリーダーの経験あり。営業の他にも企画業務の経験もあり。
志望先:IT企業の営業職
応募資格:(必須条件MUST)法人営業の経験5年以上、(歓迎条件WANT)マネジメントの経験、新規開拓営業の経験
企業の応募要件に書いてある応募資格を見ると、どういった人材を求めているかが分かります。このケースでは、法人営業、マネジメント、新規開拓営業の経験者です。
よって志望者の経験から、法人営業、チームリーダー、新規顧客開拓の経験を強調して書くことで、自分が企業が求める人材像に近いことをアピールできます。
逆にいうと求められていない既存顧客の担当や企画業務については、アピールの材料にならなさそうなら、多くを書く必要はありません。
なお、このケースでは広告からITへの異業種への転職ですが、もし広告会社でもIT関連の業務に携わった経験があるのであれば、しっかりアピールすべきです。
職務要約・自己PRとの整合性をとる
職務経歴書は一貫性が大事です。「職務経歴」に書いていない内容が、サマリーである「職務要約」や、強みを書く「自己PR」に突然出てくると全体の整合性が取れなくなり説得力が出ません。
ですので、職務要約はしっかりと「職務経歴」の要約となっているか、自己PRは「職務経歴」で言及されている経歴に基づいたものかを確認して、矛盾がないようにしましょう。
面接のベースとなることを認識しておく
書類選考を通過することができれば、次は面接選考です。そして面接ではこの職務経歴書をベースとして進んでいきます。
面接官は事前に職務経歴書に目を通して、質問内容を考えているケースが多いので、職務経歴には面接で聞いて欲しいキーワードを入れておきましょう。
面接で聞いて欲しいことをキーワードとして入れておくことで、面接官の質問を誘導して自己PRにつなげるのです。
逆に言えば、職務経歴に書くのであれば、面接で細かく突っ込まれても答えるようにしておく必要があります。聞かれて答えられないことがないように、経歴の棚卸しをしっかりとしておきましょう。
職務経歴に書く内容

ここからは実際に職務経歴に書く内容を見ていきます。
職務経歴では「いつ」「どこの会社の何という部門で」「どういった仕事をして」「どの様な成果をあげたか」を網羅します。
繰り返しになりますが、どういうふうに書けば企業にアピールできるかを考えながら書きましょう。
具体的には下記のような内容を書きます。
- 職務に携わった期間
- 会社概要・部署名・役職
- 職務内容
- 主なプロジェクト(案件)
- 実績
以下でポイントを解説していきます。
職務に携わった期間
その企業・部署に在籍した期間を書くようにしましょう。転職や異動で職務内容が変わった場合は期間を分けて書いてください。ただし、部署名の変更のみで職務内容が変わっていない場合は分けて書く必要はありません。
会社概要・部署名・役職
会社概要には会社名、事業内容、売上、従業員数、雇用形態などを書きます。部署名については所属した事業本部、事業部、部、課などの名称を書きます。
職務内容
経験した職務内容を書きます。例えば営業では、扱った商材、担当した業界、営業スタイル(既存顧客の深耕、新規顧客の開拓)、営業の職務(顧客訪問、企画立案、プレゼンなど)、マネジメントの経験といった内容を書くようにしましょう。なお、業界用語や社内用語は使わないようにし、誰が読んでも分かる言葉を使うことが大切です。
主なプロジェクト(案件)
携わった代表的なプロジェクトについて書きます。プロジェクトの内容、期間、規模、成果、自分の役割、プロジェクトの人数、チームメンバーを端的に書きましょう。職務経歴書では通常細部までは書きませんが、面接では詳細の説明を求められることもあるので、事前にしっかりと整理しておきましょう。例えば、プロジェクトで困難だった点、どうやって乗り越えたかなどはよく聞かれます。
実績
成果は客観的に正確に伝えるために数字を使って表現するようにしましょう。営業職であれば売上の目標比、マーケターであればマーケットシェアの増加率などです。なお、その数字が対外的に出しても問題ないものかはしっかりと判断するようにしましょう。
まとめ

この記事では職務経歴書で最も分量が多い職務経歴の書き方について解説しました。
職務経歴は漫然と経歴を書いてしまいがちですが、この内容で採用担当者は自分に会いたいと思ってくれるかと自問自答しながら書くようにしましょう。
戦略的に書く内容・表現を選んで書くことで、企業のニーズに合った内容にブラッシュアップされ、書類選考の確率があがっていきます。
職務経歴書のその他の項目の書き方は以下を参考にしてください。
【転職】職務経歴書の活かせる知識・スキルの書き方【例文あり】
また、職務経歴書については以下の記事も投稿しています。