2020年7月30日、政府によって景気は後退局面と認定さました。
2012年12月に始まった景気の回復は、2018年10月をピークに後退したと認定され、残念ながら「いざなみ景気」の最長記録には届きませんでした。
そして現在足元では、業績の厳しい企業が多い状況です。
今回は、このような景気が後退している状況、つまり不況における転職について掘り下げていきます。
やはり転職は一旦待った方が良いのか、それとも転職したい人はやはり転職活動をすべきかを考察します。
私の考えは以下の通りです。
- どうしても転職をしたい人は転職活動すべき
- ただし不況のリスクは考慮に入れておくべき
この考えの背景を説明していきます。
景気後退認定でも転職活動すべき?

まず結論からいうと、どうしても転職したい人は転職活動をはじめるべきだと考えます。ただし、不況のリスクを知ったうえで活動すべきです。
なぜ私が転職したい人は転職活動をすべきと考えているかというと、転職にはタイミングや運が非常に大きなウェイトを占めるからです。
- 求人の有無
- 応募の条件
- ライバル
- 面接官との相性
まずはこれらについて説明をしていきます。
求人の有無
転職は、そもそも入社を希望する企業が求人を出していないと応募できません。
さまざまな企業の求人をチェックし、また実際に選考を受けた私の体感では、企業の求人募集には以下の傾向があります。
- 日系大手:定期的に募集 or ポジションに空きが出た場合
- 外資系:ポジションに空きが出た場合
- メガベンチャー:ポジションに空きが出た場合
まずは日系大手企業です。総合商社や大手不動産といった人気企業では1年の決まった時期、例えば4月などに毎年決まって募集するところがあります。その他には、ポジションに空きが出た段階で募集をかける企業があります。
外資系企業やメガベンチャーは上記のような定期募集はあまりなく、ポジションに空きが出たタイミングで募集をしています。
つまり、入りたい企業に求人があるかどうかはタイミング次第なのです。
一般的に好況時は企業の業績も良く売上が順調に伸びている為、更なる事業拡大に向け募集をかけることが多いです。
ただし、これはあくまで一般的な傾向なので、今回のような不況でも募集をしている可能性があります。
例えば、IT関係や医薬関係ではむしろ業績を伸ばしている企業もあります。
また、好況時には良い人材をとれないからと、あえて逆張りをして不況で採用を増やす企業もあるでしょう。
そういった企業の求人を見つけられるのは、当然、転職活動をしている人だけです。
ですので、どうしても転職をしたい人は、チャンスを逃さないために不況でも転職活動をした方が良いと考えます。
応募の条件
もし憧れの企業に求人があったとしても、あなたが応募できる求人かどうかが重要です。というのは、基本的に転職では即戦力を求めているからです。
どんなに優秀な人でも経験がない分野の求人で内定を得るのは難しいです。
経験がない分野では、ポテンシャルを評価してもらうか、うまく自己アピールをして売り込む必要がありますが、不利なのに変わりはありません。
異業種にチャレンジする際の自己PRについては、【異業種転職の自己PR】やる気がありますはあり?を参考にしてください。
そうなると、応募が可能なのは、入りたい企業があなたの応募できるポジション(あなたに経験があるポジション)で募集をしているときになります。
こう考えると自分にピッタリの求人に出会えるのは、運が必要だと思いませんか?
そして運というのは行動している人のところに来るものです。
ですので、やはり転職をしたい人は、不況であろうと主体的にチャンスを探すべきだと思うのです。
ライバル
ライバルの存在も重要です。どんなに良い人材が多数いても、普通、企業の採用定員は決まっています。
そのため、ライバルが優秀であれば、残念ながらあなたは落ちてしまいます。
一方、強力なライバルがいない場合は内定が獲得しやすいです。
このように内定を得られるかどうかは、ライバルの存在にも左右されるのです。そしてライバルの状況は運次第です。
面接官との相性
面接を受けたことがある人なら分かってもらえるかと思いますが、面接官との相性ってありますよね。
やはり最後は人と人なので、合う合わないはどうしてもあるのです。
どんなに優秀な人材でも、面接官に嫌われると落とされる可能性はあります。
自分と合う面接官にあたることができるかも運次第です。
転職には運も大事なのでチャンスを探すべき
このように内定を得られるかどうかは運次第のところもあります。
誤解がないように書いておきまくと、もちろん大前提として実力は大事です。
実力がその企業に見合っていない場合は、まぐれを除いて、まず受かりません。
しかし実力だけではなく、そもそも入りたい企業の求人があるか、その求人は応募できる条件か、ライバルは強くないか、面接官と相性が合うかなどの、関門を乗り越えてはじめて内定が得られるのです。
そう考えると、そういったチャンスが不況に来ないとも言えないので、転職をしたい人は、転職活動をすべきだと私は考えます。
ただし、不況にはもちろんリスクはあります。
そのリスクを覚悟して転職活動をすべきだと思います。
次で具体的に説明をしていきます。
景気後退時の転職のリスク

ここでは景気後退時の転職のリスクを見ていきます。
大きく下記の2点が考えられます。
- 内定取り消しや試用期間中の解雇
- 更なる不況による業績悪化で給与や雇用に影響
内定取り消しや試用期間中の解雇
これは最も怖いケースです。
せっかく内定が出たのに業績が悪化して内定取り消しになるケースや、入社後の試用期間で解雇される場合です。
不況という非常事態ではこういったリスクも考慮しておくべきです。
急な業績悪化で新卒入社予定の学生が内定取り消しをされるニュースが流れています。こういったことは当然転職者にも起こる可能性があります。
更なる不況による業績悪化で給与や雇用に影響
今の不況がいつまで続くかは誰にも分かりません。
もしさらに不況が進行すると、想定していた額の給与がもらえないケースや、最悪の場合、人員整理の可能性もあります。
給与アップを狙って転職したものの、それが実現できない事態があることは認識しておきましょう。
まとめ

今回は、政府による景気後退が認定された状況での転職について解説しました。
一般的に不況は求人の数が減り、失業などで転職希望者も増えるので、競争は厳しくなることを認識しておきましょう。
また、たとえ内定をもらっても、内定取り消しや試用期間中の解雇のリスクがあること。更には、想定していた給与がもらえないケースや、リストラの可能性も通常時より高いことも考慮しておきましょう。
ただし、いつチャンスがあるかは分からないので、私はどうしても転職をしたい人は機会を逃さないためにも転職活動をすべきだと考えます。
後悔しないためにリスクをしっかりと見極めながら、転職活動をしていきましょう。