こんにちは。
今日は大企業のジョブローテーションについて書きます。
数年ごとにやってくる異動。
部署を変わるだけならまだし良いものの、時には転勤もあり。
最悪は家族と離れ離れ。
そんなジョブローテーションの恐怖に震えている人もいますよね?
大企業での勤務経験のある私が大企業のジョブローテーションについて解説をします。
ジョブローテーションの辛い点(デメリット)と、これからの時代、どう対応すべきかを書いていきます。
大企業のジョブローテーションは辛いという話

皆さんはジョブローテーションにどんなイメージをもっていますか?
はっきり言って、あまり良いイメージはないんじゃないですかね。
一応言っておきますと、実はメリットもあります。
ジョブローテーションのメリット
- いろんな仕事が経験できる
- 会社のことがよく分かる
- 幅広い社内人脈ができる
しかし終身雇用がなくなっていくなか、デメリットが目立つようになりました。
まだ終身雇用が保証されているなら、その会社に人生を委ねて言われるがままどこにでも行けばよかったです。
しかし終身雇用が保証されないのであれば、ちょっと話が違ってきます。
ジョブローテーションの辛い点
- 社外で通用するスキルが身につかない
- キャリア設計が立てられない
- 人生設計が立てられない
まずはこんな辛い点をジョブローテーションの経験者が語ります。
社外で通用するスキルが身につかない

まずは社外で通用するスキルが身につかないという点です。
これは大企業にありがちなのですが、その会社の専門家になっている人が多くいます。
ずっと新卒からその会社に勤めているので、会社のことは本当によく分かっています。
- 社内の人脈はすごくある
- 社内のITシステムも使い慣れている
- その会社の仕事の進め方がよく分かっている
こんな感じの人です。
夜も会社の人と飲みに行って、休みの日も会社の人とゴルフに行くような感じです。
そりゃもう、その会社のプロです。知り尽くしています。
しかし、一歩外に出てみると、通用するでしょうか?
まず実力面でクエスチョンです。
それこそジョブローテーションで色んな部署を回っているパターンだと、広く浅いスキルしかもっていません。
営業、経理、法務、企画、人事と一通り経験はあるものの、どの分野でもプロとは呼べません。
これでは、一歩社外に出て、ずっと営業一筋でスキルを磨いてきた営業のプロと同じフィールドで競っても勝負になりません。
一番辛いのは、転職活動においてポテンシャルが評価されなくなる30代以上です。
20代ならまだポテンシャルを評価してもらえますが、30代以上は具体的に何ができるかが問われます。
そんなときに具体的なスキルがないと内定を獲得できません。
そして、そもそも実力以上にマインド面でもついていきません。
その会社で働く以外のキャリアが考えられないんですよね。
外に出るのが怖くて怖くて一歩を踏み出せないのです。
十年以上同じ会社に勤めていれば社内の人はよく知っていますし、部下もいます。
そんな勝手を知った安心な我が家から、誰も知っている人がいない外の荒野に踏み出すのはさぞ怖いのでしょう。
キャリア設計が立てられない

ジョブローテーションがあるとキャリア設計が立てられません。
これはスキルが身につかない話とよく似ています。
例えば、いろんな仕事を経験するなかで天職が見つかったとします。
「この仕事を一生やっていきたい」と思える仕事が運よく見つかったのです。
しかしジョブローテーションがあると、数年後はその仕事とは全く違う仕事をしないといけません。
仕事は人生の多くの時間を使います。
「仕事がつまらないと、人生を失敗」という人もいるぐらいです。
本意ではない仕事をやるキャリアで本当に良いのでしょうか?
海外ではジョブディスクリプションでやる仕事が明確に決まっていることが多いです。
各個人が責任をもって自分でキャリア設計をするのです。
会社任せの日本とは真逆です。
どっちが良いと思うかはその人次第ですが、私は私のキャリアを自分で決めたいです。
人生設計が立てられない

ジョブローテーションがあると人生設計も立てづらいです。
いつ異動があるか分からない状況だと以下のようなことに困ります。
- 持ち家の購入
- パートナーの仕事
- 子供の学校
家を買ったのに転勤になる。また、家を買うと転勤になるという噂すらあります。
また、いつ転勤になるか分からないのでは、パートナーは落ち着いて働けません。
相手についていくのであれば仕事を辞めなければなりませんし、仕事を優先するのであれば離れ離れで暮らさないといけません。
そして、子供の学校の問題もあります。子供が大きくなると単身赴任をする人が増えますよね。
このようにジョブローテーションがあることで、人生設計が非常に難しくなるのです。
ジョブローテーションにどう立ち向かう?

ここからは、そんな辛い辛いジョブローテーションにサラリーマンとして、どう立ち向かうかを書きます。
はっきり言って完全にジョブローテーションを封じ込める手は残念ながらありません。
しかし、ジョブローテーションが本当に嫌で、自分のキャリアを主体的につくっていきたいのであれば、以下をやってみる価値はあるのかなと考えています。
- まずはマインドチェンジ
- いつでも転職できるスキルを身につける
- プロとしてのキャリアを積める会社に転職する
まずはマインドチェンジ
まず大事なのはマインドチェンジです。
考え方を変えないと日々の行動も変わりません。
こんな感じに変えてみてはどうでしょうか?
- キャリアは会社が決めるもの→キャリアは自分でつくるもの
- サラリーマンに選択権はない→最後に決めるのは自分自身
私も以前はキャリアは会社が決めるもので、自分に選択権はないと思っていました。思い込んでいました。
ある意味それは事実です。日本の大企業で働いていると、それは疑うこともない事実なのです。
だからみんな人事の噂話で持ち切りなのですよね。
しかし、それはまさにジョブローテーションを完全に受け入れたサラリーマン生活です。
そうではなく、たしかに人事権は会社にあるものの「同時に自分のキャリアは自分でつくっていく」という強い気概をもつことが大事です。
その強い考えをもつと行動もきっと変わっていきます。
どうしても納得がいかない人事のときに会社から飛び出す覚悟をもつのです。
しかし、それには準備がいります。
十分な準備もなく会社を飛び出してもキャリアダウンになりかねないからです。
どんな準備をすればいいかについては、次から書いていきます。
いつでも転職できるスキルを身につける
私は究極的には世の中で強く求められるスキルをもった人材になれば怖いものはないと考えています。
なぜなら、不本意なジョブローテーションに遭遇しても「それならば辞めます」と言えるからです。
ま、そこまでいきなり極端な展開にはならないとは思いますが。
終身雇用が保証されない世の中。
転職や副業が当たり前になり、今よりも会社の垣根が緩くなって会社と会社というよりは、人と人がコラボする時代。
これからは、そんなふうになっていくと考えています。
そんな時代ではきっとプロになる必要があります。
何でも広く浅くできるジェネラリストではなく、プロフェッショナルとして明確な価値が出せる人が求められます。
強みがない人と組むメリットはないですからね。
なので、自分が得意なこと。好きなことのスキルをとにかく伸ばして、プロになりましょう。
そうすれば人事異動の恐怖が和らぐはずです。
プロとしてのキャリアを積める会社に転職する
そして最後は会社選びです。
プロとしてのキャリアを積める会社で働くことが自分のスキルアップにつながります。
どんな会社かと分かりやすく言うと、ジョブ型雇用の会社で、ジョブディスクリプションで自分の職務内容が明確な会社が良いと考えます。
そういった会社なら、定期的なジョブローテーションで全く望まない部署への異動というのは少ないからです。
自分がやりたい職種のスキルアップにじっくりと取り組むことができます。
そうやってプロとしての実力をつけて実績を出せば社外でも通用します。いつでも転職できるようになるのです。
ただジョブ型雇用にもデメリットがあることを認識しておきましょう。
企業でその仕事自体が無くなる可能性があるのです。
例えば技術者であれば分かりやすいですが、ある分野のスペシャリストであっても、それに取って代わる新しい技術が出てきて、その技術が無くなれば仕事自体が無くなります。
日本の大企業のようにジョブローテーションがあれば、その仕事が無くなっても配置換えしてくれます。
ある意味ジョブローテーションを経験しているとつぶしがきくのです。
こういうことを書くと「結局どっちが良いのか分からなくなってきた」という声もあるかと思います。
はい。実はその通りで、どっちが良いか明確には分かりません。
私は今後の世の中を予想してプロフェッショナルとして生きていくのが良いと書いていますが、その予測は当たらない可能性もあります。
なので最終的には「自分がどうしたいか」に尽きます。
私は誰かに頼られたり感謝されたりするような高いアウトプットを出したいと考えているので、プロフェッショナルとしてのキャリアを歩むことを望んでいます。
最後は自分がどうしたいかなのです。
まとめ

今回は大企業のジョブローテーションは辛いよねという話から、どのようにキャリア構築をすべきかについて書きました。
今、大企業に勤めている人で、そのままジョブローテーションをしながらキャリアを積んでいくか。
それとも、自分でプロフェッショナルとして歩むことを決めて、スキルアップをしたり、社内異動・転職したりしながらキャリアをつくっていくか。
これは完全に自分次第です。
そして難しいのが、なかなか明確な決断の期限がないことです。
いつまでにキャリアの進め方を決めなさいという指示もないので、ずるずると行ってしまいがちです。
私としては、後で自分の社会人人生を振り返ったときに後悔をしないように、早い段階から考え出すことをおすすめします。