ジョブ型雇用の採用が大手企業で始まっています。
この動きに不安を感じている方も多くいるのではないでしょうか?
これから一体どんな働き方になっていくのか分からずに不安ですよね。
しかし私はジョブ型雇用に期待せずにいられないのです。
もちろん働き手にデメリットもあることは理解しています。
それでもジョブ型雇用で始まる新しい働き方に希望を見出しています。
ジョブ型雇用のメリットとは?

自立したプロフェッショナルとして働きたい。
こういう気持ちをずっともっています。
自分の選んだ道で仕事の腕を磨いてプロとして一流の仕事をするイメージです。
しかしサラリーマンとして日系企業で働いていると、そんなキャリアは難しいです。
いつくるか分からないジョブローテーションで、転勤して働く場所や職種が変わる可能性があるからです。
せっかく気に入った職種に就けて能力を開発していても、まったく違う職種に変わるとまた一から出直しです。
いつまでたっても専門性がつきません。
しかし、ジョブ型雇用ではジョブディスクリプション(職務記述書)に書かれた職務に対して雇用されます。
例えば、マーケティングであればマーケティング職に対して雇用されるので、しばらくしたら営業に異動するといったことが基本的にはないのです。
この環境では自分が「これで飯を食っていく」と決めた道を、とことん追求することができます。
私はそこにメリットを見出しているのです。
もちろん、ジョブ型雇用にデメリットがあるのも知っています。
- 専門性がないジェネラリストは困る
- 専門性がない新卒は困る可能性あり
- 企業でその仕事が無くなることがある
こういったデメリットがあります。
ジョブ型雇用については、【ジョブ型雇用】ジェネラリストかスペシャリストのどっちが良い?でかなり詳しく解説しているので興味がある方は読んでください。
しかし私のようにプロフェッショナルになることに憧れをもっている人間からしたら、希望を感じるんですよね。
企業と対等な関係になることができる

企業と従業員の関係ってやはり企業側に主導権があると感じています。
当然、働き手も企業を選ぶ権利はあり、本当に嫌なら辞めるという選択肢はあるものの、そんなに簡単に退職を決断できる人って現実的には少ないと思います。
特に従来のメンバーシップ型雇用ではジョブローテーションでジェネラリストを育成することが多く、その会社以外で通用する専門性がつきにくい状況です。
これでは外に自信をもって出ていくことができません。
家族がいるなかでの単身赴任や、希望しない職種への変更にも従わざるをえないですし、専門性がないと歳を取れば取るほど転職も難しくなり更に選択肢は狭まっていきます。
しかし、ジョブ型雇用であれば専門性がもてます。
つまり自分にとって不本意な異動であれば最悪転職することも考えながら、交渉することができるのです。
これにはもちろん自分にその職種での実力があることが前提です。
実力がないと外に出てもどこからも雇ってもらえないからです。
しかし実力があれば望まない異動について会社と協議することもできるのです。
どうでしょうか?
実力次第ということで不安にもなりますが、いずれにしても年功序列や終身雇用の維持が難しい今の状況であれば、ジョブ型雇用でスペシャリストになってどこでも働けるようになった方が生活の面でリスクは低いと言えると思うのです。
自己実現ができる

マズローの欲求五段階説は皆さんご存知かと思います。
食事や睡眠といった生きるために必要な本能的な欲求である「生理的欲求」に始まり、安全で安心できる暮らしがしたい「安全の欲求」。
家族、学校、会社などの集団に属して安心感を得たい「社会的欲求」があり、社会や所属する組織で評価されたい尊敬されたいという「承認欲求」があります。
そして最後に何かを人生で成し遂げたい、自分らしく生きたいという「自己実現の欲求」があります。
先程書いた会社とできるだけ対等な関係になり、受け入れがたいことについては交渉できるというのは安全の欲求に近いかなと思います。
そして自分のやりたい仕事の能力を高めていき、満足が行くレベルの仕事をやっていくのは、自己実現の欲求に近いと感じています。
会社に命じられた仕事を転々と変わりながらするのではなく、職種という軸をもちながら、そのときそのときに求められる職務を遂行していくイメージです。
こういった働き方はメンバーシップ型よりもジョブ型雇用の方がやりやすいと感じています。
やはり一つの道を究めると見えてくる世界ってあると思うんです。
いろんなことを経験して幅広い視野をもつジェネラリストも素晴らしいですが、私はスペシャリストにも憧れます。
ジェネラリストの良さは、ジェネラリストにはジェネラリストのメリットがあるよねという話に書いています。
まとめ

今回は世間を賑わしているジョブ型雇用の良い面について書きました。
ジョブ型雇用を歓迎するかどうかは、人それぞれかと思います。
その人の置かれている状況、考え方によって賛否が分かれるでしょう。
しかし、世の中的にはジョブ型雇用のように働き方が多様化していくのは間違いがない一つの方向性かと思います。
時代の流れを感じ取り、それに合わせてキャリアを考えていくことが、私たち働き手に求められます。