そんな方におすすめなのが「反応しない練習(草薙 龍瞬著、株式会社KADOKAWA、2015年)」です。
マコなり社長やサラタメさんといったビジネス系YouTuberが大々的に取り上げている本なので、既にご存知の方も多いかと思います。
この記事では、人の心ない発言に苦しんでいた私が、この本でどれたけストレスフリーになったかが分かってもらえるはずです。
この本の内容を日々実践することで、イライラが減り心穏やかに過ごせるようになった経験談を書いていきますので、悩みがある方は是非読んでください。
反応しない練習

「反応しない練習」は本のサブタイトルの「あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」」の通り、ブッダの教えをベースとした悩みの解決方法について書いた本です。
ブッダと聞くと仏教で宗教的なものを感じるかもしれませんが、本の内容は、これまたサブタイトルにある通り合理的なメソッドに終始しています。
この「反応しない練習」は、特にこんな方におすすめの本です。
- 人間関係にストレスを感じている方
- 人と比べてしまい劣等感で苦しんでいる方
- 過去の失敗をくよくよ悩んでいて立ち直れない方
- 人から言われたことですぐに怒りを覚えてしまう方
これ、実は全部、過去の私の悩みなんです。
もちろん全てが解消したわけではないのですが、この本を読んで対応方法が分かったので、今ではだいぶ楽になりました。
私がこの本から学んだのは以下の3点です。
- 悩みはなくそうとしなくても良い
- 反応しないことこそが勝利
- 等身大の自分を良くしていくこと
ここからは体験談として、私がどの様にこの本のメソッドを取り入れて悩みを解決したかをお伝えしていきます。
悩みはなくそうとしなくても良い

「悩みはない方が良い」そう思っていませんか?
私はそう思っていますし、みなさんも同じ意見だと思います。
しかし、悩みが全く無いという状態には、なかなかなれないものです。
子供の頃はきっと大人になったら知識が増えて悩むことは無くなるのだろうと思っていました。しかし、いくら知識が増えても悩みは消えませんでした。
また、新入社員の頃はベテランと呼ばれる年齢になったら、ビジネスのことは何でも分かっていて悩まないだろうと思っていました。しかし自分が中堅と言われる年齢になっても些末なことで悩んでいるのが現実です。
むしろ年齢を重ねれば重ねるほど責任も重くなり、上司だけでなく部下をもつことで関わる人も増え、悩みごとは増えている感じがします。
もちろん、長年の社会人生活でそれなりに知識は増え、解決できる課題も増えました。自分でも大きく成長したと思っています。
しかし、未だに残る悩みは「人間関係」や「気持ち」といった、より本質的なものです。知識では解決できないものが、悩みとして大きくなってきました。
しかしこの「反応しない練習」では「悩みはなくそうとしなくても良い」という考えが書かれています。
これは「なんとかはやく悩みを解決しないといけない」とあせっていた私には目から鱗の考えでした。
まず「あぁ、無理に解決しなくても良いんだ」と思えるだけで、だいぶ心が楽になりました。
本書では、悩みを解決するメソッドとして「まず理解からはじめること」を提唱しています。以下に引用します。
①「悩みがある」⇒②「悩みには理由がある」⇒③「悩みには解決策がある」と、順を追って「理解」していくことで、どんな悩みも確実に解決できるというのが、ブッダの合理的な考え方です。
本書には上記の各ステップにおける考え方が書かれています。その考え方を用いて悩みをとらえることで、不思議と悩んでいた心のざわつきが治まってきます。
例えば、私には人一倍仕事で成果を上げているという自負がありました。上長や周囲からも一定の評価を得ていたものの「もっと評価されたい」という思いがあり「何で評価されないんだ」という怒りに変わったことがありました。
しかし本書のメソッドを用いて、しっかりとこの悩みに向き合ったところ「この悩みは承認欲なんだな」とその正体を理解することができました。
悩みの正体が分かると不思議なもので「別に認められても認められなくてもたいしたことないな」と冷静になることができ、悩みが小さくなりました。
反応しないことこそが勝利

仕事をしていると嫌な人、合わない人とも関わらないといけません。それが学生と社会人の違いだと新入社員の頃に上司に教えられたのを今でも覚えています。
しかし、合わない人との付き合いは辛いものです。そしてそういった人に限って、自分にとって嫌なこと・不快なことを言ってきます。
以前の私は言われたことに対して納得がいかなければ、即反応して言い返していました。そして言った後もイライラしていました。
しかし、言い返した後の結果は、大体以下の2パターンでした。
言い返した結果
- さらに反撃をしてくる
- 論破するもしこりが残る
冷静に考えると、このどっちのパターンも良くないですよね。
ただし私は自分の意見を言うこと自体は大事だと思っています。昔はそれを言えずに悩んでいましたが「嫌われる勇気」を読んでから、受け取り方は相手の問題ととらえて、臆せずに言うことを心がけています。
「嫌われる勇気」についても、【書評】嫌われる勇気で書評を書いています。
ただ言うにしても反応して感情のままに言うのは良くないですし、場合によっては意図的に言い返さないというのも、ありだということを本書から学びました。
本書には分かりやすい言葉でこれを表現しています。以下に引用します。
このブッダの合理的態度から学べることは、「反応しないことが最高の勝利である」という理解です。
仏教における勝利とは、相手に勝つことではありません。「相手に反応して心を失わない」ことを意味するのです。
私も嫌なこと・不快なことを言われたときに、それに言い返していては、相手と同じ土俵に立ってしまう。それならば、あえて言い返さないことで勝とうと思えるようになりました。
言い返さないようにした結果、もうそれ以上言ってこない人もいれば、まだしつこく言ってくる人もいました。ただ、ずっと反応しないと、諦めて絡まれることが少なくなりました。
これは実践してみるとかなり難しく、全く反応しないというのは現実的に厳しいので、必要に応じて最小限の受け答えはしています。
それでも言い返していた頃と比べ、相手とはるかに距離を保てるようになりました。
しかし、これはなかなか習慣化するのは難しく、意識していないと忘れて言い返してしまいそうになります。手帳に書くなどして、自然にできるようにトレーニングしていきたいと思っています。
等身大の自分を良くしていくこと

私はなかなか自分に満足ができませんでした。
「もっとやれるはず」「もっと上に行きたい」「もっと称賛されたい」こういった思いをずっともっていました。
こういった欲求はうまく使えば向上心として自分を成長させられますが、悪い方に行くと、人と比べたり、自分をダメな人間だと否定してしまいます。
そして人間どこまで行ってもなかなか満足できません。
昔は遥か彼方にあった目標もいざ到達すると、一瞬は満足できるものの、更に高い目標や目指すべき人が見えてきます。そこでまた、現実とのギャップに苦しむのです。
そういったときは自分のダメなところばかり目がいきます。
- 全然実力が足りない
- なんて自分は意志が弱いんだ
- 今日も目標を達成できなかった
こういった思いをもって、ネガティブになってしまいます。
しかし本書には下記のように書いていました。引用します。
本当の自分とは”頑張れる自分”から”弱い自分”(五つの妨げ)を引いた残りなのです。
私はこの文を読んで「自分の悪いところばかりに目がいっているけど、本当の自分はあくまで頑張っている自分から弱い部分を引いたものなんだ。つまりプラスなんだ」と思えるようになりました。
それであれば、少しずつでも頑張れる自分を増やしていって、同時に弱い自分を減らす努力をすれば、より良く変わっていけるはずです。
今の自分を見つめ直して、ここから頑張っていこうと思えました。
まとめ

私はこの本を読んで「どのように悩みに対処すべきか」という対応方法を学びました。
今まで明確な方法論がなく闇雲に解決しようともがいていたのと比べると雲泥の差だと思っています。
本書には様々な考え方が載っていますので、興味をもった方は是非、読んでもらえればと思います。
きっと何かヒントになることがあるのではと思っています。
私のおすすめの読み方・活用方法は「繰り返し読む」「大事なポイントは普段目に入るところに書いておく」です。
この本は実践してこそ価値があると思います。しかし残念ながら一度読んだだけでは忘れてしまいます。
そこで繰り返し読んだり、毎日見て思い出すことが大事だと思っています。