自己PRで、こんな悩みはありませんか?
少し贅沢な悩みに思えますが、実際いろいろとアピールしたいことがありますよね。
しかし、あれもこれもと欲張って書いても、広く薄いアピールになってしまって読む人の印象に残りません。
「じゃあ何をどんなふうに書いたらいいの?」という疑問があるかと思いますので、この記事で解決していきます。
採用担当者の目に留まる自己PRの書き方をしっかりと説明します。
職務経歴書の自己PRの書き方

職務経歴書の自己PRのポイントは、企業が求めていることを書くことです。
つまり、思いつくままに自己PRを書くのではなく、受ける企業が求める能力を先に調べて、それに合致した自分の経験やスキルを書くのです。
これは冷静に考えれば分かりますが、企業が欲しいと思っていない能力をいくらアピールしても響かないからです。
例え話をすると、喉が渇いている人に辛い食べ物を売ろうとしても売れません。喉が渇いている人には、水を売るべきなのです。
企業がどういった経験やスキルをもった人材を雇いたいかを調べ、それに合った能力をアピールするようにしましょう。
その具体的な手順は、下記の通りになります。
- 自分の強みを書き出す
- 企業の求めている能力を調べる
- 自分の強みと求められている能力の接点を見つける
各手順について詳しく解説をしていきます。
①自分の強みを書き出す

まずは自分の強みを整理しましょう。
とは言っても、参考となるやり方もなしに、いきなり自分の強みをスラスラと書き出すのは難しいと思います。
一つの方法としては、過去に経験した仕事内容から強みを探す方法です。
まず以下の内容を書き出します。
- 経験した仕事
- 扱った商品
- 仕事の流れ
- 仕事で関わった人
- 具体的な成果
もし営業であれば、下記のような内容になります。
経験した仕事:広告の法人営業を6年。既存顧客と新規顧客を担当
扱った商品:広告(無形商材)
仕事の流れ:顧客課題をヒヤリング→社内の企画スタッフと提案作成→顧客に提案→受注→製作→納品→請求
仕事で関わった人:消費財業界の顧客(担当者~課長クラス)。社内の企画、デザイナー、コピーライター、協力会社
具体的な成果:売上目標比120%。新規顧客開拓は成果が出せなかったが既存顧客の売上を大きく伸ばす
このように自分の仕事を整理することで、自分自身の強みが見えてきます。
例えば以下の点が強みとして考えられます。
スタッフをまとめて提案している点:多岐に渡る部門とのスムーズな連携とリーダーシップ
既存顧客の売上を伸ばしている点:顧客との関係性を構築する力
売上目標を達成している点:数字目標を達成する意識の強さ
もし自分の強みが分からなかったら、このように今までやってきた仕事を掘り下げるところから始めてみましょう。
そうすると、きっと強みと言えるものが見つかるはずです。
次は、企業の求めている能力を調べましょう。
②企業の求めている能力を調べる

ここでは志望する企業がどんな能力を求めているかを確認しましょう。
前述の通り、企業が応募者に求めている能力を先に把握したうえで、その能力を自分がもっているとアピールすることで、的外れなスキルをアピールしてしまうことを防げます。
企業が求めている能力の調べ方には、下記の方法があります。
- 求人の応募資格を見る
- 企業、職種、業界を調べる
求人の応募資格を見る
もっとも確実なのが求人の応募資格です。
私の経験ではここに答えがのっていることが多いです。
例えば下記のような求人があったとします。
志望先:IT企業の営業職
企業の応募資格:(必須条件MUST)法人営業の経験5年以上、(歓迎条件WANT)IT業界の経験、クロスファンクショナルチームのマネジメントの経験
これに対して、事前に書き出した自分の経験した仕事内容や強みを照らし合わせていきます。
まず、必須条件として法人営業の経験5年以上があります。ここから即戦力を求めていることが伺えます。前の例で言うと、法人営業の経験が6年あることや、売上目標を達成している点はアピールできそうです。
また、歓迎条件にはIT業界の経験とクロスファンクショナルチームのマネジメントの経験があります。IT業界の経験が必須でなくて良かったです。必須だと応募が困難になります。
業界未経験者でも、もしIT業界に近い経験をしていたら自己PRに使うこともできます。例えば、広告会社でもWebサイトやネット広告の仕事もあります。こういった類似の経験は上手くアピールに使いましょう。
クロスファンクショナルチームのマネジメントの経験が歓迎条件にあるのは、応募職種に部門横断でメンバーをまとめる役割のあることが想像できます。社内の企画、デザイナー、コピーライター、協力会社をまとめてきた経験は使えそうです。
このように、求人の応募資格から、企業が求めている能力を読み取りましょう。
企業、職種、業界を調べる
求人の応募資格で、ある程度、求められている能力が分かったかと思います。
ここではより深く企業側のニーズを深掘りしていきます。
ポイントは入社したらどういった仕事をするか、具体的にイメージすることです。
先程の営業の例であれば、下記の内容を想像してみましょう。
- どういった顧客のどんな人に、何をどのように売るか
- 上司や同僚、社内スタッフ、協力会社とどう連携するか
- 1日のスケジュールはどんなものか
こういった超具体的な日々の仕事がイメージできれば、成果をあげるために何が求められるかも想像できるかと思います。
もし想像できなければ、情報を集めることで、仕事内容をイメージできるまで知識を増やしていきましょう。
- 採用ホームページ
- IR(インベスター・リレーションズ)情報
- 書籍、ネット、口コミサイト、SNS
このような情報源で情報収集することをおすすめします。
③自分の強みと求められている能力の接点を見つける

最後は「①自分の強み」と「②企業の求めている能力」の接点を見つけます。
先程の例を使って説明すると、下記の2点がアピールに使えそうです。
- 法人営業の経験が6年あり、目標数字を達成している点
- 社内の企画、デザイナー、コピーライター、協力会社をまとめてきた経験
ちなみに強み=希少性ともいえます。
みんながもっている能力は強みにはなりません。周囲がもっていない能力や、抜きん出た能力が高い評価となります。
この点を忘れないでください。
自己PRの作成

最後はいよいよ職務経歴書に書く自己PRを作成しましょう。
自己PRの構成
自己PRは下記の構成をおすすめします。
自己PRの構成
- 結論(要点)
- 結論の根拠や、やってきたこと
- 志望先での活かし方
①結論(要点)
最初に結論を簡潔に伝えます。「コミュニケーション能力が強みです」といったような書き出しで、あなたの強みを明確に述べます。
②結論の根拠や、やってきたこと
結論の後は、その根拠や今までやってきたことを説明しましょう。強みの裏付けを説明するのです。読む人があなたの強みを具体的にイメージできるように、エピソードも記載しましょう。
③志望先での活かし方
最後に、自分の強みをどのように志望先で活かすか説明しましょう。
自己PRの例
ここでも先ほどの事例を用いて、自己PRの例を説明します。
数字達成意欲の高さ
数字達成意欲の高さが強みです。顧客と強固な関係を構築することで案件情報を他社よりも早い段階で取得し、積極的に提案活動をした結果、売上目標を6年連続で達成しました。IT業界も広告業界と同じ無形商材であることから、現職の経験を活かして目標数字達成に取り組みます。
多岐に渡るメンバーのマネジメント
社内外の多岐に渡るメンバーのマネジメントに強みがあります。現職では企画、デザイナー、コピーライター、協力会社からなるチームをマネジメントし、提案から納品までのプロジェクト管理を担いました。貴社でも営業として、複数部署にまたがるエンジニアチームをまとめあげることで、案件獲得に邁進します。
おさらいになりますが、この例を使ってもう一度ポイントを説明します。
まず、自分の強みと企業の求める能力が重なるものをアピールします。企業が求める能力は求人の応募資格などで確認します。
自己PRの流れは「①結論(要点)」「②結論の根拠や、やってきたこと」「③志望先での活かし方」をおすすめします。上記の例も同じ流れになっています。
ちなみに自己PRと長所の違いが分からない方は、【転職】自己PRと長所の違いを理解しようをチェックしてください。
まとめ

この記事では職務経歴書に書く自己PRについて見てきました。
繰り返しになりますが、自己PRのポイントは企業が求める能力を書くことです。
ひとりよがりにならないよう、企業側のニーズを確認して書くようにしましょう。
ただし、企業が求めているからといって、あなたの経験やスキルにないものを自己PRには書くのはもちろんNGです。
そういう意味では、職務経歴書の他の項目である「職務要約」「職務経歴」「活かせる知識・スキル」「資格・免許」と、今回の「自己PR」に書いてある内容に整合性が取れているかは、しっかりと確認しましょう。
そうすることで、自分のキャリアで経験していないことを強みとして書いていないかチェックすることができます。
「職務要約」「職務経歴」「活かせる知識・スキル」「資格・免許」「自己PR」といった職務経歴書の各項目が分断されず、一貫していることが重要なのです。
今回もここまで読んで下さり、ありがとうございました。
この記事が少しでも皆さんの転職活動の参考になれば幸いです。
職務経歴書の他のパートは下記の記事でそれぞれ解説していますので、是非合わせて読んでください。