こんな疑問に答えていきます。
新規事業や新規ビジネスってよく聞くと思います。
しかし少し冷静になって考えると、どうしてわざわざ新しい事業をやらないといけないのでしょうか?
今の既存事業を伸ばすことに注力した方がいいような気もしますよね。
今回はそれでも新規事業が必要な理由を私なりに解説していきます。
新規事業はなぜやるのか?

私が考える新規事業をやる理由は以下の通りです。
- 既存事業はいずれ衰退するから
- 世の中のトレンドに乗るため
- たまたま新しい商売になったから
- その他の理由いろいろ
一つずつ順番に解説をしていきます。
既存事業はいずれ衰退するから

これが最も大きい理由だと思っています。
どんな事業もいつかは衰退していくので、新しい事業を興していかないと会社として存続できないのです。
以前は必要とされた商品やサービスも、いつの日か受け入れられなくなります。
よって、企業としては今の時代に求められる商品やサービスを新しく開発して、提供する必要があります。
例えばですが、今の日本の大企業で創業時の事業だけを一貫してずっとやっている会社をパッと思いつくでしょうか?
私はなかなか思いつきませんでした。
ほとんどの企業は何かしら事業内容を変化させているのです。
例えば、トヨタは創業時には自動織機による綿製品が主力事業でしたし、ソニーもテープレコーダーなどを作っていました。
しかし、それらの製品のみを作り続けて新しい事業にチャレンジしなかったら、今のような大企業には当然なっていません。
そしてこれは何もメーカーに限った話ではありません。
例えば、過去は広告でもテレビ・ラジオ・新聞・雑誌といったマス四媒体がメインでしたが、今ではずっと1位だったテレビの広告費をインターネット広告が抜いています。
総合商社も以前はトレーディングがメインでしたが、今は事業投資で儲けています。
つまり、どんな業界であっても既存事業はいずれ衰退するので、新しいメシの種を見つけていかなければ発展できないのです。
これはマーケティングのプロダクトライフサイクル(PLC)でも説明されています。導入期→成長期→成熟期→衰退期と辿っていくのです。
企業が持続的に発展していくには、自社の製品がこのプロダクトライフサイクルの今どこにいるかをしっかりと見て、対策を打っていかなければいけません。
そして、今私たちが生きる現代は非常に激しい時代です。
AI、ビッグデータ、クラウド、5G、ロボット、AR/VRといった技術が凄まじい勢いで進歩していますし、VUCAと言われるように将来の予測が困難な時代です。
V:Volatility(変動性)、U:Uncertainty(不確実性)、C:Complexity(複雑性)、A:Ambiguity(曖昧性)
10年どころか、数年後どうなっているかも予想できないですよね。
こんな時代だからこそ、今やっている事業が好調だからと胡坐をかいていたら、あっという間に世の中が変わってしまい取り残されるかもしれません。
世の中のメガトレンドを押さえつつ、お客さまが不満に思っていることを聞いて、そこから新しい事業を仕込んでいかないといけないのです。
世の中のトレンドに乗るため

先ほど説明した「既存事業はいずれ衰退するから」という考えが、新規事業をやる最も大きな理由だと思います。
しかし、それ以外にも新規事業をやる理由はあります。
その中の一つが世の中のトレンドに乗るためです。
例えば今は DX(デジタル・トランスフォーメーション)がもてはやされています。
そういった世間の動向を受けて、企業の幹部が自社でもDXを検討するように部下に命じて、その新規事業プロジェクトが開始されるケースもあるのです。
この背景には、大きなメガトレンドを自社の事業にも反映して、今の事業が時代遅れにならないようにするという考えがあると思われるので、結局は先ほど説明した理由と同じかもしれません。
ただ、新規事業を始める初めのきっかけとして、既存事業に限りが見えてきたからという理由か、周りがやっている新しいことを自社もやらないと取り残されてしまうという考えから来ているかの違いがあります。
きっかけはなんにせよ本当に世の中が求めているものを作って提供すれば、新規事業は成功するはずです。
ただ、やっぱり事業を始める初めの動機というのは大切かなとも思います。
周りがやっているから乗り遅れないためにやるというのでは、どうしても後ろ向きなので、なかなか上手くいかないんじゃないかなと感じています。
やはりそれよりは先手を打って「世の中はこういうふうに変わる。そして足元でも自分たちのお客さまのニーズとしてもある。だからやる」という強い確信が、新規事業を強力に推し進めるモチベーションなると考えます。
ですので、こういった世の中のトレンドに乗るという考え自体を否定はしませんが、うまく動機付けをしないと成功しないのではないかなと思います。
たまたま新しい商売になったから

もう一つ企業が新規事業を始める理由としてあるのが、たまたま新しいビジネスになったからということです。
これはどういうことかというと、既に自社が持っている技術を応用して、他の新しいビジネスを開始するというものです。
ただし、自主的にやるというよりは、お客様から「こういうことできない?」と聞かれてやってみるイメージです。
このように自分では意図していなかった新しいビジネスが、お客さまからの要望で開始するケースというのもあります。
これはある意味、手堅いです。
既にお客様のニーズのあることが分かっているので、それに応えるものを作れば、ほぼ確実に売れます。
一方、それがそのお客様単体の要望なのか、マーケット全体のニーズとしてあるのかを見極めることが、大きなビジネスになるかどうかのポイントです。
このようにたまたま自社の持っていた技術が活かせて、新しいビジネスが生まれるというケースもあります。
その他の理由いろいろ

その他にも理由はあります。
例えば、人材育成のために新規事業をやるケースもあります。
新規事業のように新しいビジネスを 一から起こすのは非常に勉強になるのです。
既存事業は過去にいろいろと施策をやっていて前例があるので、こうすれば上手くいくという方法が分かっていますが、新規事業は成功方法が確立されておらず、本当に試行錯誤しながらやっていかなければなりません。
そのため既存事業でエースだった人が、必ず新規事業でも同じように活躍できるかは分かりません。
言われたことを確実にやるのが得意な人は既存事業で活躍できますが、新規事業では自ら考え、いろいろなアイデアを試してビジネスを作っていかねばならないからです。
こういった貴重な経験を積ませることで社員を成長させるといった考えも、新規事業をやる理由の一つにあるのです。
ただし、当然、100%教育のためだけに新規事業をやるというのは少ないと思っています。教育のためだけに失敗するリスクをとって新規事業をするほど余裕のある会社はなかなか無いですからね。
教育の目的があり、もしその新規事業が成功すれば会社としても儲けものという考えで実行されることはあるかと思います。
それ以外では、大企業で人の異動先がなくなって部署をつくるなど、その企業特有の事情で新規事業を開始するケースもあるかと思います。
まとめ

この記事では今後ますます求められる新規事業について、なぜやる必要があるのかという理由を解説しました。
少子高齢化や消費の低迷といった理由で国内の経済成長の見通しが明るくない日本企業にとって、新規事業はより重要になってきます。
この記事が、新規事業が必要な理由の理解に役立てば幸いです。
新規事業の仕事に興味がある方は、【転職】新規事業立ち上げの求人への応募ってあり?についても読んでもらえればと思います。